Rescue wings その2 (2/14撮影)

　浜松撮影レポート後篇は、当日撮影できた救難団の物以外の機体と、広報館の保存機(の一部)です。
　写真は広報館正面に飛行状態で展示されているF-86Fセイバー@ブルーインパルス塗装。




・浜松基地の機体

　浜松と言えばT-4練習機。当基地ではT-4練習機を用いジェット中等訓練が行われている。
　その中でも「ロービジ」と「レッドインパルス」の2機を撮影したかったのだが、現着して暫くした所で、その2機が編隊離陸する所が撮れてラッキー。(「レッドインパルス」は複数居るんだけどね)

　
(左)「ロービジ」が着陸した所。「ロービジ」とは「ロービジリティ」の略で、敵から見つかりにくいように視認性を下げた塗装のこと。
　写真の機体は通常は黒/黄色のチェッカー模様な尾翼のマークがグレーのモノトーンにされるなどしており、昨年の浜松航空祭の目玉だったりした。…んが、ワタシは当日堺港で開催されていた輸送艦「おおすみ」の一般公開に行っていて撮影できてなかった。
(右)編隊離陸するノーマル塗装のT-4。

　
　浜松と言えばE-767警戒管制機。(あれ?)
　当日はタッチアンドゴーを繰り返している所が見られた。
(右)訓練が終了し着陸するE-767。主翼上のスポイラーを立てて減速中。


・外来機
　「3本タンク」にて芦屋基地(福岡県)より飛来の、「レッドインパルス」塗装のT-4練習機。
　そもそもこの塗装は芦屋基地にてジェット初等訓練に用いるT-4練習機に用いられている塗装で、ブルーインパルスの赤白バージョンのようだからついた俗称。(実際には微妙に異なる)
　その機体の一部が(機材繰りの都合で?)浜松基地にも回ってきたもの。
　パイロン及び増槽はノーマルのグレー塗装。

　
(左)入間基地のC-1輸送機。各基地間を結ぶ定期便として飛来していた模様。
(右)同じく入間基地の総隊司令部飛行隊のU-4多用途(輸送)機。


・広報館の展示機
　浜松広報館には空自が使用したものを中心に多くの航空機が展示されているが、その全てを記すには余りにも時間が少ない(爆)、よってここでは救難団で使用された機体に限って紹介する(笑)。



　　
　ノースアメリカンT-6テキサン練習機。
　自衛隊での愛称は「まつかぜ」。一時期自衛隊では保有する航空機にオリジナルの愛称をつけていたが、殆ど定着する事はなかった。
　17096機が生産され世界で最も成功した練習機と言われ、日本では黎明期の空自に米国より供与され中等練習機として使用された。
　その後国産ジェット練習機T-1が配備されたのに伴い、練習機としては昭和39年までに退役したものの、救難捜索機としては昭和45年まで使用された。
　そのスタイルから、映画などで零戦役で登場したりしている。

　
　三菱MU-2捜索救難機。
　転用された旧式練習機に変わって、専用の救難捜索機が配備されたことで、その能力は大きく向上したものと思われる。

　シコルスキーH-19Cチカソー。
　メーカーのモデル名はS-55、自衛隊での愛称は「はつかり」。
　独特の大きく丸い機首の中にはレシプロエンジンが入っている。
　発足当初の陸海空自衛隊で使用され、昭和34年の伊勢湾台風では、災害派遣された陸海空自衛隊や米軍により、このH-19やその大型モデルH-34やH-21(後述)と言ったヘリが合計約40機運用され。浸水家屋に孤立した被災者約5000名を救助したり、救難物資の輸送を行ったりとと言った活躍により、大規模災害時におけるヘリコプターの有用性を実証した。
　空自救難団では昭和47年まで使用されていた。

　シコルスキーS-62J。
　自衛隊での愛称は「らいちょう」
　S-55(H-19)の部品を出来るだけ流用して製作された、タービン単発のヘリコプター。
　元はHSS-2/H-3シーキングシリーズ(メーカーのモデル名S-61)開発に向けた研究用の機体だった為、シーキングを単発にしたような形をしている。
　航空自衛隊では昭和61年まで使用されていた。

　屋外展示されているパイアセッキH-21ワークホース。
　自衛隊での愛称は「ほうおう」。だが、そのどちらよりも見た目よりついた愛称「フライングバナナ」の方が通りが良いかも?　メーカーのモデル名はV-44。
　現在のV-107バートルやCH-47チヌークへと続くタンデムローターヘリの始祖で、胴体後部にレシプロエンジンを搭載している。
　航空自衛隊では米軍より供与を受けた機体を救難隊にて使用していたが、湿気に弱く耐久性の低い木製ローターを使用していたため、比較的早期(昭和42年)に退役してしまった。

　
　再び屋内に戻ってV-107バートル。自衛隊での愛称は「しらさぎ」、米軍での制式名はCH-46「シーナイト」。
　デカい・重い・出力が低いと三拍子揃ったレシプロエンジンは黎明期のヘリコプターの足かせだったが、小形で高出力を発揮するタービン(≒ジェット)エンジンの実用化により問題は一挙に解決。
　フライングバナナでは胴体後部を塞いでいたエンジンが、このバートルでは後部胴体上部に収まっている。
　そのため客室の床面積が増大し、出力がアップしたことと合わせて搭載量が増大。また、胴体後部にランプドアを設置する事により貨物の搭載も容易になった。



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