Rescue wings その1 (2/14撮影)

　この日は特別に、間もなく引退と言われている浜松救難隊のV-107救難ヘリとMU-2捜索機が展示されると言う事で、空自浜松基地の浜松広報館まで行って来ました。







　広報館展示格納庫前のエプロンに並べられたV-107とMU-2。展示格納庫前のエプロンの一部が解放されていて、展示機体を撮影する事ができるようになっていた。
　かつては全国の空自基地の救難隊に配備されていたコンビだが、新型機の配備に伴い次第に減衰。現在は浜松救難隊に残るのみのようで、それも間もなく引退と言われている。
　後方滑走路上にはタッチアンドゴー中のE-767が見える。

　V-107は米国のバートル社(後にボーイングに吸収される)が製造したヘリコプターで、タンデム配置のローターが何よりの特徴。原型機の初飛行は1958年。
　形式名の「V」及び、同機の(非公式?)愛称「バートル」はバートル社に由来している。ちなみに米軍での形式名はCH-46、愛称は「シーナイト」。

　自衛隊が使用する機体は川崎にてライセンス生産されたKV-107と呼ばれる機体。
　空自の他陸自と海自にも採用されたが、陸/海自分は全て退役している。
　空自が使用するのはKV-107IIA-5と呼ばれるタイプで、捜索用のサーチライト及びバブルキャノピー、釣上げ用のホイスト、機体後部のスポンソンに大型燃料タンクを装備しており。黄色と白をベースとした救難機塗装を纏っている。

　MU-2は三菱がビジネス機として開発した双発ターポフロップ機で、試作機の初飛行は1963年。
　小型軽量の割にキャビンの容積が大きく安定性も高い為、世界27カ国で762機が販売され小型機としてはベストセラー機といわれている。


　航空自衛隊ではMU-2Sと呼ばれるタイプを捜索救難機として採用している。
　ヘリよりも速度が速く航続距離の長い機体を捜索機として装備する事により、いち早く現場に進出し広範囲を捜索する事が出来。要救助者の発見後は救難ヘリの誘導や救難物資を投下等を行う。
　特徴としては、与圧キャビンの廃止、各種救難装備の搭載の他、外観上良くわかる物としては機種に棒状に突き出たドップラーレーダーの装着があげられる。
　MU-2はLR-1の制式名にて連絡偵察機として陸自にも採用されているが、こちらも新型機の配備に伴い順次退役する見込みである。


　
(左)HP等で予告の時間よりやや遅れた13:10頃よりV-107の離陸に向けたエンジン始動開始。
　と、同時にエプロンへの立ち入りは禁止されたので、此処から暫くの写真は展示格納庫内よりガラス越しに撮影した物。
(右)タキシーアウトしてゆくV-107。
　前部ドアより乗員が身を乗り出して周囲の安全を確認している。

　
(左)V-107とタイミングを合わせて浜松基地南地区の救難隊エプロンよりタキシングしてきたUH-60J@洋上迷彩。
　V-107に替わって配備が進んでいる救難ヘリ。
(右)並んで離陸していった。

　
(左)今度はMU-2がエンジンを始動する。
(右)タキシーアウトしてゆくUM-2。

　
(左)V-107の時と同様、MU-2に替わって配備の進む救難捜索機であるU-125Aがタキシングしてきた。
(右)並んでタキシングしてゆく…が、流石に離陸は1機ずつだった。

　HP等の広報によれば、地上展示後は「離陸訓練」となっており、てっきり訓練名目で救難展示でもやってくれるものと希望的観測に基づき思い込んでいたのだけども、離陸した各機は一向に戻ってこず、展示格納庫前のエプロンも再び解放される事は無かったので、広報館の広場へと移動し、鉄柵越しに訓練の為離発着するT-4練習機などを撮影して救難ヘリの帰還を待つ。
　写真は「レッドインパルス」と「ロービジ」T-4の2機編隊。この日撮影した救難団の機体以外の写真はまた次回。


　待つ事暫し、15時過ぎになって各機が戻って来た。
　先ず始めにU-125Aが着陸する。




　続いてCH-47JA。V-107(CH-46)に続いて生産されたタンデムローター機で、形態的にはV-107を大型化した感じの機体。
　空自では主にレーダーサイト等への端末輸送に使用されているが、大規模災害時にはその搭載量を生かして避難民や重傷患者の輸送にも使えそう。(そう言う意味では、CH-47程ではないにせよ搭載量の大きいV-107の引退は惜しい気がする)
　入間に配備されている機体は当日お昼頃に浜松に飛来しており、V-107等の離陸と前後していつの間にか離陸していたようで、現時点で救難団が保有する全種類の機体が纏めて飛行していたと言う事は、フォトミッションでも行っていたのかも?

　続いてV-107…って展示されていた#851とは別の機体(#844)だな～。こちらもいつの間にか離陸していたのでしょう。(同じ浜松基地南地区ながら、広報館付近から救難団エプロン付近はよく見えなかったりします)
　広場直上を微妙に高い高度で飛行し、救難団エプロン付近へと降りた模様。

　
　UH-60Jは広報館前の誘導路に着陸した。

　
　続いてV-107#851も広報館前の誘導路に着陸した。
(左)画面下方に富士山が写っている。
(右)乗員が手を振っている。

　最後にMU-2が着陸した所で、時刻は15:45頃。16:00の広報館閉館時刻が迫っていたのでMU-2/V-107コンビはあるいはこれで見納めかも…等と余韻に浸る間もなく撤収しました。




　最後になりましたが、寒い中当日車両を出していただいた文明さん大変有難うございました。



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