名鉄キハ8000系気動車

　名鉄キハ8000系気動車(ディーゼルカー)は、戦前行われていた名鉄車両による国鉄高山線への乗り入れが、1965(昭40)年に準急「たかやま」として再開されるにあたって登場した車両。
　DMH-17H型エンジンやコイルバネ台車を使用するなと性能面では国鉄の急行用気動車キハ58系に準じているものの、転換クロスシートや固定式連続窓を使用するなど客室設備は7000系パノラマカー等に準じているものを装備し、車体幅は名鉄の車両限界によりやや国鉄車両に比べ狭いなど、乗り入れ先の国鉄車両とはやや趣が異なっていた。
　塗装は、当初は国鉄急行型気動車が、1796(昭51)年に特急へ格上げされた後はヒゲ付きの国鉄特急色が施され、赤一色の名鉄電車の中でも異彩を放っていた。

　今回は昭和の日に因んで、昭和の名鉄の名物車両の一つであったキハ8000形の写真をまとめてみました。
(ﾁｮｯﾄ強引? しかも平成に入ってから撮影した写真ばかりだし(^｡^;))



・富山駅にて
　準急「たかやま」から急行「北アルプス」へと種別・愛称共に変更された1970(昭45)年以来つづいていた名鉄8000系の富山乗り入れだったが(一時は、富山よりさらにその先、富山地方鉄道立山駅まで「3社直通運転」をしていた)、1990(平2)年3月9日を最後に終了し、翌日よりはその運転区間を高山までに縮小することとなった。
　写真は、乗り入れ最終日の富山駅で撮影したもの。


　　
(右・中)最終日のヘッドマーク。前後で違うものが掲出されていた。
(左)「新名古屋-富山」の行き先表示板など。今となっては「新名古屋」と言う駅名も過去の物なんだよね。

　北陸本線の普通列車と並ぶ。
　「北アルプス」が停車しているのは切り欠き式に設置された「西ホーム」。
　現在のJR富山駅は北陸新幹線乗り入れを前提とした高架化工事が完成しており、写真とは状況が一変している…はず。(実はこの時以来富山駅へ行ったことが無いので…(^_^;))

　
　富山駅を後にする「北アルプス」。


・犬山橋にて
　
　撮影日は不詳(整理が悪くてｽﾏﾝ)。ただしこの2枚は同一日の撮影ではない筈。(瞬間移動でもしない限りﾑﾘ(^｡^;))
　神宮前-新鵜沼間は名鉄線内を走行した「北アルプス」。
　その間のハイライトはなんと言っても犬山橋。勿論当時は道路との併用橋だった。


・美濃太田駅にて
　撮影日は91/03/08。
　高山本線へと乗り入れた「北アルプス」。
　3両編成が基本だった「北アルプス」だが､この日は繁忙期だったらしく5両編成で運転されている。


　
　製造当初は中間車も存在した8000系だが、末期は運転台を持つ車両のみで編成が組まれていた。


・大江/東名古屋港駅付近にて
　撮影日は、多分92年12月(ｵｲｵｲ)
　JR東海が特急「ひだ」用に新型気動車キハ85系を投入すると、キハ8000系は設備面/性能面で見劣りするようになり。名鉄は1991(平成3)年9月にキハ85系に準じた8500系を「北アルプス」へ投入、替わってキハ8000系は引退した。
　その後8000系は他社へと譲渡の話も有った模様で暫くは稼働状態にて留置されたものの、結局譲渡話等は纏まる事は無く、全車が解体されてしまった。

　
(左)キハ8000系のうち、最後まで残っていたキハ8200形5両が大江駅まで移動してきた。
　キハ8200形は富山地鉄立山までの乗り入れに備えて増備された形式で、走行用エンジン2基のほか発電用エンジン1基も装備した重装備車。
(右)構内入れ替えのため前後に名鉄の電気機関車がつく。

　名古屋臨海鉄道の機関車に牽かれて東名古屋港駅まで移動してきたキハ8000系。





　
　更に2両は、名電築港信号所付近の解体場所まで移動した。

　
(右)一仕事終えて東港駅へと戻る名古屋臨海鉄道のND552。
　普段は列車が通らない踏み切りなので、旗を手にした係員さんが警戒/誘導中。


・その後の「北アルプス」
　キハ8500系にて運行が続けられたが、2001(平成13)年に今度は列車自体が廃止されてしまった。
　「北アルプス」としての運行は僅か10年で終了してしまったキハ8500系だが、その後は会津鉄道へと譲渡され、「AIZUマウントエクスプレス」として運行されている。