名鉄5000系モドキ Nゲージ(1/150) トミーテック鉄コレ改造

　鉄コレ第5弾に含まれていた長野電鉄2000系をベースにデッチ上げ製作してみました。






※実車解説
　名鉄5000系は国鉄東海道本線電化に伴う電車運転に対抗し1955(昭30)年に登場した名鉄初のカルダン駆動電車。
　正面のデザインは「湘南電車」こと国鉄80系電車に採用されて以来当時流行していた正面二枚窓(所謂「湘南窓」)を採用し、航空機の技術を取り入れたセミモノコック構造を採用した車体は全体に丸みを帯びていた。
　

※模型制作
・名鉄5000系と長電2000系の相違点
　いわば「兄弟車」な両者なので、一見良く似ているものの…
1:長電2000系の車体断面形状は後の名鉄5200系や5500系同様直線的。　
2:名鉄5000系には中間車に、長電2000系は先頭車にパンタグラフが乗っている。
3:名鉄5000系は4両編成、長電2000系は3両編成。
4:台車が違う
5:塗装が違う　
…等が挙げられます。
　この中で一番ナンギなのが1番で、車体断面から替える必要が有り、ハッキリ言ってワタシの拙い技術力では無理なので(^｡^;)、他の相違点を含めて誤魔化すために…
　5000系の最終増備編成は、正面の湘南窓こそ継承されているものの、ボディ側面の断面形状は卵形から直線的なものにする。機能的には4両1ユニットだったものを2両1ユニット化…等の変更が加えられ、後に増備された5200系や5500系のプロトタイプ車的内容をもって落成した。
…と言う妄想脳内設定を作ってみました。まぁ製作前にアタマの中であーでもないこーでもない、と無い知恵を絞るのも模型制作の楽しみ…と言うことで。(^｡^;)

　写真は今回用意したベース車両。箱買いでフツーに集る3両プラス、バラ買いで集めた3両(当然不要な他の車両も何両も引いた(^_^;))の合計6両を用意しました。

・車体の分解
　先ずは車体の分解より作業開始。
　多くのNゲージ鉄道模型同様車体裾を少し広げて床板を抜き取り、次いで窓ガラス及び屋根板のパーツを取り外します。
　どのパーツもはめ込んであるだけなので、比較的簡単に取り外せますが、窓ガラスのパーツは割としっかりはまっているので、パーツを破損しないように気をつける必用が有ります。　

　
・屋根板の改造
　今回の一連の作業で、一番の「大工事」だったのがこの部分。
　4両編成中2個所あるパンタグラフのうち、1個所は長電2000系のまま先頭車に、もう1箇所は中間車へと設置する事にしたのですが、先頭車と中間車では運転室の有無などにより屋根板の長さが違うのでそのまま移植する訳には行かず屋根板を改造する事に。

　パンタを設置する中間車の屋根板は、先頭車のパンタ部分の屋根板と中間車の屋根板を切り継ぎして製作。
　パンタを廃止する方の先頭車の屋根板は、パンタ取り付け用の穴を埋めると共に、パンタ横のランボードなど不必要なディテールを紙やすりにて削り落とします。

　穴埋めや切り継ぎ部分の継ぎ目消しにはゼリー状の瞬間接着剤を使用し、切り継いだ部分の補強に裏側より短冊状の薄い金属板(正体は他のプラモデルで使ったエッチングパーツのランナー(^｡^;))にて補強してあります。

　屋根板の塗装には、たまたま手元にあったタミヤカラー・エアーモデルスプレーのAS-11ミディアムシーグレイを使用。スピットファイヤの下面に使う色らしいのですが丁度ええ感じの色でした。
　編成にした時に見た目を揃えるため、改造していない屋根板も同時に塗装しておきます。
　
　パンタグラフはグリーンマックス製のPT43を使用。取り付け穴とパンタ側の取り付け部の径が微妙に合わず据わりが悪いので、バネの調整をしてみたりしたものの、それでもダメだったので最終的にはプラ用の接着剤にて軽く接着しました。

　写真は屋根を改造した各車。


・車体関係の作業
　車体の作業は一部パーツの取り付けと塗装のみ。　
　車体は塗装前に念のため、ラッカー薄め液浸したティッシュにて長野電鉄の塗装を落としておきます。
　次に、6000系以前の名鉄電車を象徴するアイテムである前面の行き先表示板及び種別板を取り付けます。今回も遊々クラブ製のエッチングパーツを使用し、コレを瞬間接着剤にて車体に取り付け、メタルプライマーを塗ります。

　その後に塗装作業。グリーンマックス製の鉄道カラースプレー(缶スプレー)のスカーレットを吹き付け、「名鉄電車全般」と謳っているだけあってコレさえ塗っておけば車体断面がどうとか、パンタの位置がどうとか関係なく名鉄電車に見えますね(^｡^)。
　行き先表示板などは他キットより何となく「急行」「犬山経由新岐阜」を使用。名鉄電車は行き先が多いのでこう言うところが楽しいですね。

　
・足回り　
　今回はM'(パンタグラフ付きの中間車)に動力ユニットを取り付けます。
　使用したのは鉄コレ18m車用で、車体ヘの取り付けは無改造で出来ますが、その前に「室内」や床下に出っ張っているモーター等の部分を黒のマジックにて塗っておくと、組み立てた時に目立たなくて良いです。
　台車枠は車両に付属のものを使用。「台車が違う」問題は「試作的要素を含んだ車両」と言う事で動力化をしない車両も含めてスルー(^_^;)
　それ以外の車両へは鉄コレ用走行用パーツの金属性車輪及びウェイトを取り付けました。

　連結器はトミックスのTNカプラーを使用。
　動力車は走行用パーツに付いているカプラーポケットに、カプラーポケット取り付け用のものを、その他の車両はボディマウント式のものを取り付け。
　こうする事により外観だけではなく車両間の連結間隔も縮まり外観がリアルになるのですが、肝心の先頭部分のみなんだか収まりが悪くパーツの一部を削ったりしたものの解決しませんでした。
　なんにせよ、これにより以前購入した7000系パノラマカーの増結用にも使えるようになりました。

　床下機器は2両1ユニットにする為揃えておく…のだけども、タネ車の都合で上手く揃わなかったので他の鉄コレからテキトーにパチって来たりして辻褄をあわせてあります(^_^;)。


・組立て
　取り立てて書くことも無く、粛々と組み立てて完成です。


…てな事をやっているうちに、グリーンマックスより5000系のキットが発売されましたので(爆)、こちらを購入すれば何の苦労もなくフツーに「正調」5000系を作ることが出来ます。
　また、6月には長野電鉄2000系の冷房改造バージョン@鉄コレが発売される予定だそうです。