名鉄モ600形 MODEMO社製 Nゲージ(1/150)完成品

　ヒコーキ物のプラモデルで有名なハセガワのNゲージブランドが「MODEMO」。
　MOEDMOではいこれまでに多くの路面/小形電車が発売されており、今回は名鉄美濃町線にて使用されたモ600形が先日発売されました。



・模型解説
　完成品ながら、前面ワイパーのエッチングパーツはユーザーが購入後に取り付ける必要があるため、早速取り付け作業開始。
　ただでさえ非常に小さいパーツなため作業が難しいのに、前面貫通扉の下にある渡り板が作業の邪魔に感じたので、一旦車体を分解することにする。
　多くのNゲージ鉄道模型同様に、車体裾を軽く広げる事により床板などと一体となった下回りのパーツを抜き取る事ができる。件の渡り板は床板と一体になっていた。

　写真は車体を上下分解した状況。車体の側にはヘッドライト点灯ユニットが取り付けられており。小形の動力ユニットにより一方の台車(2軸)のみを駆動する方式なのがわかる。
　上下の車体の間にワイパーのパーツが置いてあるのが判るかな?

　ワイパーの取り付けは車体前面中央窓の下に開けられた小さな穴に当該部品を差し込んで完了。心配な人はごく少量の接着剤似て固定した方が良いかも?
※念のため書いておきますが、これらの作業はあくまで自己責任で行ってね。

　車体を組み立てて改めて撮影開始。
　他のMODEMO製品同様、その特徴をよく捉えていると思いますがどうでしょう?(^｡^)




　　
(左・中)人形は顔が命。(上方から眺める事が多い)鉄道模型は屋根上が命…と言うことで、やや上方よりの写真。
　冷房装置…に見えるが実は抵抗器(理由は後述)も含め、小型車故にかやや密度の濃い屋根上の機器は一部別パーツにて再現されている。
　全長約15mと路面電車としてはやや大柄な本形式は、交差点の90゜コーナーなど路面電車独特の急カーブをクリアする為に両端へ向けて車体が絞られている。
(右)…なので、独特の細長い顔つきに。
　オデコ部分の行き先表示幕は使用されず、貫通扉部分のブック式方向板(行き先表示板)を使用していた。
　なお、付属の方向板用のシールが貼ってないのに当該部分が白いのは仕様です。(最初から塗装されている)

　
(左)伸縮式ではないもののTNカプラーを装備しているので、他のMODEMO製の名鉄600V線車両とも連結可能…って実際にはこんな編成は無かったですけどね。(^｡^;)
　同時に発売されている600形のモーター無し車と連結して、実物でも行われていた2両連結運転を再現するのが正しい使用法。
(右)方向板用のシール及び、車体番号用のインレタも付属。
　　

・実車解説&写真
　競輪場前駅(停留所)付近の交差点を曲がるモ606。
　本形式は架線電圧600V美濃町線(路面電車)から同1500V各務ヶ原線(通常の鉄道線)の新岐阜駅へと直通する為に1970(昭45)年に6両が製造された電車。
　永らく美濃町線の主力として活躍していた本形式だが、新型車両の配備や路線の縮小に伴い次第に勢力を減衰し。最後まで残っていたのはこのモ6061両のみ。
　現役時代の大半は今回製品化されたこの赤一色の塗装で過ごした。

　車庫の有った市ノ坪駅にて570形電車と並ぶモ606。
　純然たる路面電車スタイルの570形とのスタイルの違いがよくわかる。
　車体は新造だが台車など一部機器は鉄道線用の旧型車のものを流用しており、そのため路面電車にもかかわらず高床式の構造で、ドアと連動する折畳式のステップを使用して乗降する必要があった。
　廃止直前には登場当時の急行用に白帯を巻いた姿が再現されていた。(多分このバージョンもそのうち製品化されるでしょう(^｡^))

　各務原線田神駅に進入するモ606。
　小型車にもかかわらず複電圧車ということで、床下に納まりきらなかった抵抗器は屋根上に搭載されている。
　この年3月中旬に中部国際空港開港に伴うダイヤ改正が実施され、新岐阜駅は名鉄岐阜駅と改称されたが、
　3月末に廃止を控えていた美濃町線では新たに方向版及び方向幕を作ることはせず、新岐阜の「新」の部分をマスキングして「□岐阜」と表示していて、廃止前の侘しさを増大させていたのだが、この状態を再現する方向板シールも製品には付属していたりする(^｡^)

　名鉄岐阜駅の美濃町線ホームに停車するモ606。
　美濃町線廃止後のこの場所は、ホームなどを撤去した上で留置線として使われている。
　また、路線廃止まで生き残ったモ606だったが、路線廃止後は解体された模様。

　現在モ600形電車は、旧名鉄美濃駅にて1両(モ601)が保存されている。