しょっぱい大阪の夜 (8/3-4撮影)

　今年は大阪湾を舞台に開催された呉地方隊展示訓練。
　ワタシは首尾良く8/4の乗艦券が当っていたものの、台風の影響により当日の展示訓練は中止に。

　それでも、休みを取って宿や電車の切符も手配した事だし、「ひえい」と「くにさき」なら撮るだけでも価値が有ると言う事にして、行くだけ行ってみよう…と、結構てんてこ舞いで仕事を片付け大阪へと馳せ参じる。

　難波到着後、先着されていた文明さんと合流。
　既に艦艇が入港していれば、電灯艦飾の模様が撮影出来る筈…とバスにて天保山へ向かう。
　到着間際に「歓迎委員会」がデモをしていたのを目撃したので、これは居るな～、とはやる気持ちを抑えきれずバスを下車するや否や早足で天保山埠頭へと向かうと、そこには驚きの光景が待っていたのだった…




　ただの一隻もいやがりゃしません!

　しかも、現場では海自や地本関係者と思われる人を見かけなかったので、入港日時…と言うか入港の有無すらわからないと言う有様。よく見ると埠頭には防舷物が取り付けられているので、少なくとも大阪入りそのものが全面的にキャンセルされたわけでは無さそうだけども…。
　とりあえず、翌日撮影を御一緒させていただく予定だったはるなさんに電話し現状報告と爾後の対策を考える。…と言っても上記のような有様なので、なれない民間港への夜間入港はないだろうから、翌朝入港の可能性に備え、朝のうちに天保山へ向かう…とするぐらいしか対策がない状態。
　つか、さっきの反対派のデモは何だったんでしょうね。もし「我々は本日の入港阻止に成功した～!」とかはしゃいでいたとしたら、スゲーしょっぱいんですけど←人の事言え無いって!(^｡^;)
　
　長居をしていても仕方がないので、早々に宿へと引き上げ「泣き寝入り」(^｡^;)
　宿の映画チャンネルでは、ご当地出身(※)のハリウッドスター、「セガール君」の映画を流していた。
※スティーブン・セガールは、大阪・十三(じゅうそう)で空手教室を開いていた事が有るそう。　　

　翌朝。艦艇撮影は止めにして、大阪散策に切り替えると言う文明さんと別れ(その節はホンマスンマセンでした!)、再び天保山へ。
　地下鉄大阪港駅へついてみると、本日中止の立て看板と共に案内役の隊員さんが居られたので、「あの～今日は中止なんですよね」と、次の質問に答えざるを得なくなるための布石を打った上で(^｡^;)ｺｿｸﾔﾅｰ「今日の入港って何時ぐらいですか?」と尋ねてみると、「15時半頃です」との回答を頂く。
　早速はるなさんに電話。こちらへ向かいつつあった所だけども急遽集合場所を難波へと変更し、「第二目標」を撮影する(こちらはまた後日)。

　頃合を見て三度天保山。
　写真は天保山マーケットプレーズのテラスより撮影した海自のタグボート。呉から来たと思われる。
　ところがこの場所、入港間近の15:00より立ち入り禁止とのこと、当然埠頭も立ち入り禁止。前回(2004年)の時はテラスと埠頭の陸側半分は立ち入り可能だったので、警備が厳しくなってるなー。

　…と言うことで、天保山渡船にて対岸の桜島側へと渡る。
　天保山渡船は日中30分間隔で運行している無料の渡船で、桜島側の乗り場付近より天保山埠頭に接岸する船舶を撮影する事ができる。
　写真は渡船より撮影したタグボート群。3隻やって来ていた。

　
　そうこうするうちに、DDH141護衛艦「ひえい」ｷﾀｰ!
　時刻は15時過ぎ…予行を実施したのちの入港だった模様で、艦上より見学者向けのアナウンスが聞こえてきたりしていた。
　(台風の影響で呉出港が遅れ?)金曜日に予行を実施できなかったのが土曜日中止の原因かな?
(左)手前に居るのは警備の海保巡視艇「てるぎく」。

　DD158護衛艦「うみぎり」。先日の阪神基地一般公開で見学させてもらった艦で、望遠レンズで圧縮して撮影すると「あさぎり」型護衛艦の特徴である2本マストが際立つ…というかコレに乗ってるはずだったんだよなー(号泣)。


　手前は天保山渡船の「桜」。その後ろにいるのは海保「ねぷちゅん」





　タグボートの力を借りて「ひえい」にメザシで接舷せんとする「うみぎり」。
　その手前には海保「てるぎく」が付かず離れずで寄りそう。
　暑い中任務ご苦労様ですが。正直、そこ邪魔(^｡^;)ｺﾗｺﾗ

　毎度の事ながらよく働くタグボート。
　出動した3隻の内、2隻は直接艦を押して接岸を支援し。残る1隻は防舷物の取り付けの支援をしていた。



　
　天保山岸壁に接岸した残り2隻は、護衛艦から練習艦へと艦種変更された2隻の「あさぎり」型が接岸した。
(左)まずはTV-3516「あさぎり」が接岸。
(右)続いてTV-3515「やまぎり」がやって来た。
　その後方には中央突堤へ接岸せんとするLST4003輸送艦「くにさき」。
　「くにさき」はスラスターを装備しているのでタグボートの支援無しで入港できる。ブリッジ後方のクレーンが立ち上がっているのに注目。



●オマケのコネタ 天保山と「観艦式」
・日本一低い山
　大阪「港」なのに天保「山」と言う地名の組み合わせは少し奇異な感じもするが、この地には、国土地理院の地形図に載っている「山」では標高4.53mと一番低い天保山が所在しているためである。

　天保山とは、天保2～4年の間に眼前の安治川河口付近で実施された浚渫工事で掘り出した土砂を積み上げて作られた人工の山で、当時は20m程の高さがあったという。
　その後、幕末になって砲台を建設するため一部が削り取られたり、大正から昭和にかけて工業用に地下水をくみ上げた事による地盤沈下の影響もあり、現在の標高になったそう。

　写真は「山頂」に置かれている二等三角点。


・日本初の「観艦式」
　天保山山頂横には「明治天皇観艦之所」と記された、天保山の標高より高そうな石碑がある。
　日本に於ける「観艦式」は、慶応4年(明治元年)3月26日に天保山沖で実施された「観兵式」(資料によっては「天保山沖軍艦叡覧」「海軍天覧」)がその始まり。
　新政府軍の諸藩連合艦隊の「電流丸」「万里丸」「千歳丸」「三邦丸」「華陽丸」「万年丸」(計2,452t)とフランスの「デュープレックス」が参加し、前述のように当時は砲台が設置されていた天保山より明治天皇がそれらの艦艇を親閲した。

　ちなみにこの石碑は昭和４年に建立されたものだそう。背後のつり橋は阪神高速湾岸線。




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