名古屋保存車両巡り その2

　その1に続き名古屋市内の保存車両アレコレです。
　撮影日はまちまちですが、すべてこの一年以内の撮影です(つか、大半は夏以降)。


☆東山動植物園
　名古屋市東部に所在する東山動植物園では、動植物の他保存車両も見る事ができる。
　写真の温室のうち昭和12年より建つ前館は鉄骨造の前面ガラス張りで、2006年に国の重要文化財に指定された。



・東山公園モノレール
　1964年に導入された懸垂式(レールに車両がぶら下がるタイプ)モノレール。
　当時は物珍しさも有って人気を博したが、その後運賃が割高な為利用者が伸び悩んだ等の理由により、1974(昭49)年に廃止された。
　現在は、一方の終点であった植物園駅と車両が保存されている。

　「レトロでんしゃ館」にあった東山公園モノレールの模型。
　当線はサフェージュ(懸垂)式モノレールの実用試験も兼ねていて、データ収集の見返りにメーカーである三菱が保守点検を廉価にて実施していたそう。
　此処で得られたデータは後に湘南モノレールや千葉都市モノレールに生かされていると言う。

　
　現在の東山公園では「スカイビュートレイン」と言う比較的小形の跨座式モノレールが運行されている。
(右)エンドレスの軌道上を最大2編成が運行するシステム。
　ちなみに「東山公園の池でボートに乗ったカップルは別れる」とは、名古屋では有名な都市伝説(^_^;)


・C62 17
　C62は昭和23年から24年にかけて50両が製作された特急列車用の蒸気機関車。
　この17号機は昭和29年12月15日に東海道本線木曽川橋梁上にて実施した速度試験に於いて、狭軌用蒸気機関車としては世界最高速度である129km/hを記録しており、この記録は今尚破られていない。


　
　植物園の一角に置かれている本機は、数年おきぐらいに塗りなおされているらしく、屋根無しの屋外展示にしては状態が良さそう…に見えるが…

　
　細かい所を見ると、金属(真鍮)地の所は全て金色に、そうで無い所もテキトーな色に塗って有ったりする(^_^;)
　前述のような経歴を誇る本機なので、高速鉄道技術の歴史と進歩を学べる施設にすると言う「JR東海博物館(仮)」での展示を望みたい所だけど、どうなんでしょうかね?



☆JR東海社員研修センター
　中央西線千種駅にほど近いこの施設の一角には2両の蒸気機関車が保存されており、以前は「ちくさきしゃコーナー」として一般にも開放されていたが、現在は非公開。
　ただし、フェンス外からの見学や撮影は何とか可能(^_^;)
　鉄道会社の施設にて保存されているだけの事はあり、屋根無しの屋外展示ながら保存車両の状態は良さそう。



　
・C57 139(左)
　急行列車用の蒸気機関車として製造されたC57は、スマートな外観から「貴婦人」の相性で知られ、現在でもJR西日本で1号機が、JR東日本で180号機がそれぞれ動態保存されている。
　この139号機はお召し列車牽引機に3回指定されるなど、名古屋機関区の「エース」として活躍した車両で、お召し列車牽引時の装飾を施した状態で保存されている。
・ケ90(右)
　1917(大7)年に製造された軽便鉄道用の小形蒸気機関車。丹名トンネル建設工事に使用さたれそう。
　現在はカットモデルとなって展示されている。



☆上前津東公園の179
　名古屋市中区に有る小さな公園に、元名古屋市電179号車を利用した集会場がある。
　窓やドアが塞がれるか付け替えられているなど、原型を留めていないというか原型以外は留めていないというか(^｡^;)…な状態ながら、近年名古屋市電を思わせる塗装に塗りなおされているのは嬉しい所。(ただし、ワンマンカーを示す赤帯は現役時代の本車には巻かれていなかったと思われる)
　　
(中)台車は無くコンクリート製の台座に乗せられている。
　本車は「単車」と通称される2軸車(明治村の「京都市電」みたいなもの)なので、車体長も約8.5mと短い。
　その1でご紹介した2000型などの増備により、昭和31年までに全車が廃車されている。
(右)「建物側」のドアは塞がれていた。


　公園にて集会所として用いられている元名古屋市電車両としては、以前ご紹介した上飯田駅そばの公園に置かれている1651号車も有る。





　
★オマケその1・名古屋市科学館の保存車両
　元名古屋市電1401と、四日市の石原産業専用線にて入れ替え用蒸気機関車として使用されていた2412が保存展示されていたが、新館建設工事に伴い一時的に見学できない状態になっていた。
　写真ではフェンスの影に2412の煙突などが、その隣にシートをかけられた1401が見える。
　ちなみに、一緒に展示されていたF-86Dセイバードック(04-8176)は、工事開始に伴い航空自衛隊へ返納され、その後解体されてしまったそう。
　以前の展示状況はこちらをご参照。


★オマケその2・岐阜市金公園のモ513
　「名古屋」保存車両巡りですが、先日撮影した所なので…(^_^;)
　別に「岐阜は名古屋の植民地」云々…と言う面倒臭い話に踏み込むつもりはありませんので念のため(^_^;)

　　
　大正15年に製造され、2005年の路線全廃まで岐阜の路面電車の名物として現役に留まっていた2両のモ510型のうちの1両が、岐阜市中心部の金(こがね)公園にて保存されている。
(中)運転席にはこんな人が座ってました(^｡^;)
(右)クリスマスが近いからか(岐阜基地航空祭の岐路、11/30に撮影)、イルミネーションが施されていた。
　
　名鉄モ510型の他の保存車両につきましてはここやここ辺りをご参照。
　最末期の岐阜市内線のアルバムはこちら。



●オマケノナゴヤネタ
・JR東海 名古屋駅前に新たな超高層ビルを計画
　名古屋駅前の北部、現在は松坂屋や名古屋市営バスのターミナルなどが入っている名古屋ターミナルビルを解体し、オフィスや商業施設やホテル等が入居する超高層ビルの計画を進めているそう。
　現ビルは2010年度中に解体に入り2016年の完成を目指しているとのことで、年内に基本構想を発表するそう。

　「後出しジャンケンには後出しジャンケンで」…と言うことで、JRセントラルタワーズ(写真)より数mだけ高く作られたミッドランドスクエアよりさらに数mだけ高いビルを建てて、「名古屋一」の座をT●Y●T▲から奪い帰しちゃれ!!(^皿^)