きんてつ鉄道まつり2008 in塩浜 へ行ってた その1 (4/13撮影)

　遅くなりましたが、近鉄塩浜検修車庫の一般公開へ行ってきた時の写真です。
　
　塩浜検修車庫は全般検査や重要部検査と言った比較的大掛かりな定期検査を受け持つ車両工場。
　標準軌(軌間1435mm・新幹線等と同じ)である近鉄名古屋線及び山田線とその支線で運用する一般(通勤)型車両のほか、狭軌(軌間1067mm・JRの在来線等と同じ)の養老鉄道(旧近鉄養老線)の車両と特殊狭軌線(軌間762mm・所謂ナローゲージ)である近鉄内部・八王子線車両…と、3種の異なる軌間の車両を受け持つ珍しい車両工場です。


…がその前に、時間に余裕があったので近鉄塩浜駅ホームにて少し撮影。
　隣接するJR東海名古屋車両区内に停まっていた、レール運搬用気動車キヤ97。
　この編成は長さ25mの定尺レールを運搬するための2両編成のものだが、ロングレール運搬用の13両編成のものも用意されているそう。
　これらの車両の投入により、これまでレール運搬に使われていて老朽化していたEF64電気機関車とDE10ディーゼル機関車及びレール運搬用の貨車が廃車されるそう。
　また写真奥には「ドクター東海」ことキヤ95系軌道／電気総合試験気動車も写っている。(同車のマトモな写真を撮った事がない(^｡^;))


　ここからは近鉄電車の写真。
　
(左)22000系「ACE」を先頭にした鳥羽行き特急
(右)5800系「L/C car」の富吉行き準急。
　「L/C car」とは、通常はクロスシートだが、ラッシュ時には椅子を90度回転させてロングシート者として使用できる車両。

　
(左)12400系「サニーカー」他の名古屋行き特急。
　画面右端に見切れているのは、米野駅に隣接する車庫(富吉検車区米野車庫)へ入庫のため停車中の特急車。
(右)3扉転換クロスシートの急行用5200系他による伊勢中川行き急行。
　JR西日本の211系などその後各社に投入された3扉転換クロスシート車の先駆けの車両だが、ラッシュ時の収容能力に難が有る為、大阪線より名古屋線に多くが配置されている。

　
(左)名古屋発難波行きのアーバンライナー
(右)難波発名古屋行きのアーバンライナー。
　すれ違っている1000系は1972年より登場し、当初は廃車発生品の吊り掛けモータを使用していたが後にカルダン駆動化されたと言う車両で、名古屋線最古参の形式。
　丁度塩浜行きだったこともあり、この空いていた電車でマッタリと塩浜を目指す。



…と言う事で塩浜に到着。展示されていた各種車両より見学開始。

・電気関係作業用機械車
　
　パッと見は普通のトラックだが、レールの上に乗っている事からわかるように軌道(線路)と道路の両方を走れる「軌陸車」である。
　架線の点検等の作業を行うため、車体上に油圧にて上下可能な作業台が設けられている。

　足回りのアップ。
　道路/軌道の切り替えは、踏切等で内蔵する転車台を用いるなどして行うそう。
　道路も走行できる軌陸車の場合、通常の作業の他、事故や災害時に於ける出動に際してもその機動力を発揮しそう。


・軌道作業用機械車
　プラッサー&トイラー社(オーストリア)製のマルチプルタイタンパ(略して「マルタイ」)。動力はKHD(クロックナーフンボルト・ドイツ)社製水冷2サイクルディーゼルエンジン。
1:左右のレール内外に位置する4箇所にある独立したタイピングユニットにて道床(線路の砂利)をつき固める。
2:リフティングユニットにてレールを持ち上げレールを持ち上げ高上する
3:ライニングユニットにてレールの横方向を狂いを修正する
…以上3つの作業を同時に3名の作業員にて実施できる。線路の歪みは乗り心地の悪さに繋がる他、悪くすれば事故の原因にもなりかねないのでこのような作業車が必要とされ、JRや私鉄の多くでも同種の車両が導入されている。

　作業部分のアップ。
　左側がライニング及びリフティングユニット。右側がタイピングユニット。





・保線用ディーゼル機関車&貨車
　
　保線作業に用いる小形ディーゼル機関車と、バラスト(砂利)運搬に使う貨車が展示されていた。
　貨車は荷台を傾けてバラストを散布する事が出来る。


・電気検測車(モワ24+クワ25)
　
　電気系統及び信号系統の検査を行う車両。愛称「はかるくん」
　営業列車とほぼ同じ最高速度110km/hで走行出来る為、営業中である昼間時に測定を実施する事が出来る。
…と言うことで、一般の乗客の目に触れる事を多分に意識した塗装が施されている。

　クワ25先頭部に設置された検査用のパンタグラフ。走行用(集電)用のものはモワ24の方に搭載している。
　その後方に、若干車体が出っ張っている部分にはカメラなどの測定機器が有るよう。



・電動貨車(モト94+96)
　
　狭軌の養老鉄道の車両が塩浜へ検査入りする際、標準軌の近鉄名古屋線を回送する為に用いる車両。
　標準軌用の回送用仮台車(当然無動力)を履かせた養老鉄道車両を本社にて挟み、養老鉄道車両の狭軌用台車を本社へ搭載して回送する。そのための台車振替用の施設が桑名駅構内にある。
(ナローゲージの内部・八王子線車両の場合、車両の回送はぜず、検査対象の機器を取り外しトラックにて塩浜検修車庫に搬入するそう)
　養老鉄道HPによると、同社線内に於いて4/25に「はかるくん」による測定が予定されているとのことで、当日搭載していたのは「はかるくん」用の狭軌用台車かも?と推測。


・22000系「ACE」特急電車
　老朽化した特急車両の置き換えを目的として製造された新世代の特急車両で、近鉄特急の主力車種のひとつ。
　塩浜検修車庫は名古屋線などの通勤型車両が受け持ちなので、通常は特急車両は入庫しない…はず。(特急車及び大阪/奈良/南大阪線系統などの一般車は五位堂研修車庫の受け持ち)


・入替車
　塩浜工場内の入替に使われている古い電気機関車。
　元デ31形電気機関車の32だが、現在は車籍が無いため無番。



…つづく。



オマケのイベント情報
・5/11 海自厚木航空基地 ちびっ子ヤング大会
時間:10:00～16:00 (入場は15:00まで)
内容:P-3C ヘリコプターの公開。模擬店等。
その他:入場は旧東門より。
車両の入場不可。当日は大和市民まつりのため一部で交通規制あり。
危険物等の他無線機(エアバンド)も持ち込み不可。
昨年の模様