ハイウェイトレイン構想はモーダルシフトへの切り札となるか?

　モーダルシフト=CO2排出量の多いトラック及び航空機から、比較的少ない鉄道や船舶へと輸送をシフトしようと言う動き。
　地球環境保護の観点から、出来る事はすぐにでも始めるべき施策と思われるが、残念ながら今日の日本においては諸般の事情(~_~;)によりあまり推進されていないのが実情…。
　そんな中こんな構想が発表されていました。



・第2東名/新名神を利用する貨物専用鉄道構想
　従来の高速道路より余裕を持った設計にて建設/計画されている第2東名や新名神の、中央分離帯や既着工の使用未確定車線などを活用し、東名阪の3大都市圏を結ぶ貨物専用鉄道を建設しよう…と言う構想が物流関係の有識者らでつくる東海道物流新幹線構想委員会より発表された。

　具体的には…
・軌道:複線、第三軌条集電方式にて電化、軌間は在来線と同じ狭軌。急勾配区間はリニア駆動による支援システムを併用
・車両:5両1ユニットで動力分散方式(いわば「貨物電車」)、最大5ユニット(25両)程度を連結する。搭載貨物はコンテナ方式。運転方式は自動/無人運転。
・路線:東京-大阪間約600kmを平均速度90～100km/hで運行し所要時間は6時間30分、輸送力は一日約20万t。ターミナルは東京・名古屋・大阪の他数箇所を建設。
…と言うものだそう。

　これにより、エネルギー消費量及びCO2排両を削減できるほか、トラックドライバーの人手不足解消及び就労環境の改善、交通事故の減少…等の効果があるとしている。
　総費用約1兆7700億円は環境税及び一般財源化される道路特定財源の他、民間資金も受け入れたいとのこと。


　軌間を狭軌としているので、東名阪エリア内のみならず、既存在来線とも直通し東名阪区間をスルーする貨物列車(写真のように弘前から下関への貨物とか)の設定も可能かもしれませんね。(線路容量がいっぱいでこれ以上貨物列車の増発が難しいと言われる、東海道本線を通らずに済むようになる…と言うのが大きいかも?)
　「鉄」としての本能はともかくとして(^｡^;)、環境対策の面から考えても是非実現して欲しいアイデアですが、本来鉄道が通るように設計/建設されていない高速道路の橋脚等を鉄道用に出来るのかな?と言う素朴な疑問がない訳でもないです。(^｡^;)